構成詩[職場におけるマナー](文責: 黒永敬)

 

 

 

 

ナレーター

川島

 

みなさん、これから聴いていただくのは、

私たちの身近な日常生活の中での

マナーについてです。

 

 

男性社員岩下

 

さーチャイムが鳴った。食事に行こうか。

 

 

男性社員

炭田

 

そうしよう。河西さん、鳥海さんも行こうよ。

 

 

ナレーター

川島

 

いつものメンバーが、エレベーターで社員食堂に出かけます。

岩下さんたちが、食堂で順番待ちをしていたときです。

いきなり前に割り込んできた女性社員がいました。

 

 

男性社員

岩下

 

ねえ、君、みんな並んでいるんだから  後ろへ並んだら?

 

 

男性社員炭田

 

ムッとして、後ろに並んだよ。

 

 

男性社員岩下

 

こんなに混んでいるのに、割り込むなんて非常識だよな。

 

 

ナレーター川島

 

岩下さんに注意され、女性は列の後ろへ、並び直しました。

彼女は、いつも食事を一緒にしている友達が、

岩下さんの前にいたため、何気なく割り込んだのです。

 

彼女は、今までにも、

同様な割り込みを、度々繰り返していましたが、

誰にも注意されたことがなかったようです。

 

四人は、席につくと、隣の部のAさんも加わり、

早速その話を始めました。

 

 

女性社員河西

 

岩下さん、さっきは良く注意してくれたわね。

いつも気になっていたんだけど、私には言えなかったわ。

 

 

男性社員鳥海

 

そうだよな、私も言おうか言うまいか迷っていたときに、

岩下さんが言ってくれて助かったよ。

言い出すのには、けっこう度胸がいるんだよね。

 

 

男性社員炭田

 

会社内でも難しいけど、通勤途上はもっと難しいよ。

 

例えば、電車内で、

ヘッドホンから大きな音が漏れていたり、

携帯電話の使用禁止のアナウンスがされていながら

平気で使っている人がいても、

なかなか注意できないよな。

 

後で何かされたらと思って、ついついガマンしてしまうもんな。

 

 

男子社員岩下

 

最近は、注意する人が、社内でも少なくなったように感じるよ。

 

 

ナレーター川島

 

職場の中のマナーを、

一人ひとりが守る気持ちが大切であることはもちろんですが、

勇気を持って気づいてもらう行動も、大切ではないでしょうか。

 

注意をしてあげる人がいないと、その人は、

いつまでもマナーに反していることに気づかないでいるのです。

 

ましてや、社会生活の中で、

知らない人に声をかけるのは、簡単なことではありません。

 

この様な場合でも

「ちょっと音が大きいようで、

少し音を下げていただけないでしょうか」など

相手の人を批判するのではなく、

自分の思いを、上手に相手に伝えることができたら、

お互いがもっと気持ち良く生活できるかもしれませんね。

 

では、話の続きを聞いてみましょう。

 

 

女性社員河西

 

 

そう言えば、最近、隣の職場の黒永マネージャーと

会社の入り口で出会ったとき、

私が「おはようございます」ってあいさつしたのだけど、

ニコリともしなかったのよ。

 

おまけに、エレベーターでも一緒になっちゃって、

気まずい思いをしてしまったわ。

 

 

男性社員炭田

 

 

何か考え事でもあったんじゃないのかい。

私には、あいさつしてくれるよ。

 

 

男性社員岩下

 

 

 

そうでもないよ、

私も、何度かあいさつしてくれなかったことがあるよ。

 

やっぱり、あいさつしてくれないと寂しいよね。

なんだか、無視されているようで、元気なくすよ。

 

 

男性社員炭田

 

 

そうなのか、私は、知っている人に会ったら、

必ずあいさつするようにしているけどね。

 

少し落ち込んでいたときでも、元気にあいさつすると

自分も気持ちがいいんだ。

相手も明るくあいさつしてくれるし

それが、元気の出る源だと思っているよ。

 

きっと、こちらからあいさつを繰り返しやっていれば、

気づいてくれるんじゃないかな、マネージャーも。

 

 

男性社員鳥海

 

 

そうだよな、あいさつって大事だよな。

今日も1日頑張るぞって、思っていても、

仲間や上長があいさつしてくれないと、意欲をなくすよな。

 

でも、あいさつしてくれない人には、

割合偉い人が多い気がするな。

 

偉くなると、あいさつもおっくうになってくるのかなあ。

もしかすると、あいさつは部下がするものと

思っているのかもしれないよ。

 

 

女性社員A

 

 

 

みなさんが、そうではないと思うわ。

私のところの部長は、私より早くあいさつしてくれていますよ。

だからいつも気持ち良く働けているような気がするんです。

 

それでも、時には、

あいさつしていただけないこともあるんですよ。

でも、そんな時は、重要な問題を抱えていて、

いつも、そのことを考えておられ、

余裕がなかったりしているようですよ。

 

 

男性社員

 

 

そう言えば、山登りやハイキングに行ったとき、

すれ違った人同士が良くあいさつしますよね。

 

あれって、気持ちいいんですよ。

中には、「頂上まで後5分」なんて、

親切に教えてくれると、とてもうれしくなって、

よし、もう少しだぞって、元気が出ますよね。

 

 

女性社員

 

あいさつすると、自分の気持ち良くなるんですね。

 

 

男性社員

炭田

 

みんなで、一緒に力を出し合って、

チームとして成果を上げるためには、

お互いが、

気持ち良く過ごせるようにするための努力が

必要なんだね。

 

あいさつは、そのはじめの言葉。

今日も1日、お互いに頑張ろうと、

みんなで交わす大切な言葉かもしれないね。

 

 

ナレーター川島

 

 

 

 

 

 

 

 

ナレーター川島

 

 

あいさつは、明るい職場づくりの原点です。

あいさつは、お互いのコミュニケーションを深める

最大の道具です。

笑顔であいさつされると、とても気分がいいものです。

「お客さまは、仕事の鏡」と新世紀運動で言っていましたが、

部下の笑顔は、あなたの鏡。

職場のマネージメントの成果が、ここに現れているのです。

 

 

また、職場の仲間たちが、

新たな話題について、話しています。

 

 

男性社員

岩下

 

ところで、最近、

タバコを吸わない人も多くなったけど、

タバコを吸う人たちのマナーについて、

河西さんは、どう思う。

 

自分は、タバコを吸うので、

吸わない人の気持ちが良く分からないんだ。

 

 

女性社員河西

 

 

そうね、…。

例えば、駅前の駐輪場の管理人さんが、

毎朝、掃除をしているけど、

それでも、煙草の吸い殻がいっぱい落ちているわ。

とても嫌な思いがするの。

どうして、ポイポイ捨てて平気でいられるのかしら。

 

 

陰の声

 

 

岩下さんは、河西さんの言葉に、ビクッとします。

自分もポイ捨てをしていることを、

言おうか言うまいか迷った末に…。

 

 

男性社員岩下

 

 

そう言えば、私も、ポイ捨てをしていたな。

掃除してくれる人のことを思うと、

今日から止めないといけないね。

 

 

女性社員

 

 

そう言えば、会社に入る所に、

よく捨ててあるのを見かけるわ。

会社の中では捨てにくいので、

入り口で捨てていくみたいだけど、

あれって、外を通る人に、とっても恥ずかしいわよね。

 

自分の所は汚さないけど、

公道はかまわないって考えが、

理解できないわ。

そう言えば、炭田さんは、携帯の灰皿を持っているそうね。

 

 

男性社員炭田

 

 

私も、たまたま掃除をしている人のチリトリの中を見て

タバコの吸い殻がとても多いことに気づいて、

「これはいけない」って思ったんだ。

それからだよ、携帯の灰皿を持つようになったのは。

結構、気持ち良いもんだよ。

 

 

男性社員鳥海

 

 

炭田さんは、えらい。

それを見て、何にも感じない人も多いのに、

すぐ実行するなんてさすがだね。

私も今日、携帯用灰皿を買いに行かなくっちゃ。

 

 

男子社員炭田

 

 

「迷惑」と「環境」って言う言葉が浮かんだからさ。

河西さん、他に感じたことある。

 

 

女性社員河西

 

 

そうね、最近、駅で、

喫煙場所と禁煙場所が指定されているのに、

それを無視して吸っている人が時々いて、

不愉快な思いをすることがあるわ。

 

 

男性社員鳥海

 

 

そうだよな、タバコを吸う僕だって、迷惑に感じるよ。

ルールは守って欲しいよな。

でも、注意するのは、はっきりいって怖いしな。

他人任せで悪いけど、

駅員さんに注意してもらうのが一番だと思うな。

 

 

男性社員岩下

 

 

本当は、一人ひとりが自覚を持ってくれれば良いのだけれど、

難しい問題だよな。

私も愛煙家の一人だけれど、

時々灰皿からもうもうと煙が出ていると、

嫌になっちゃうよ。

 

 

男性社員炭田

 

 

 

そうだよね。

私も、タバコの持ち合わせがなくて

吸いたいな~と思う時、

他の人の煙だけでもありがたいと思うけど、

やっぱりルールは守らないとね。

 

 

女性社員河西

 

 

鳥海さんの考えもいいと思うけど、

駅員さん任せではなくて、

私たちも注意する勇気を持たないとね。

いっそのこと、

駅から吸い殻入れをなくしてくれればいいのに。

 

 

男性社員鳥海

 

 

それは良い考えだとは思うけど、急には難しいよ。

 

だけど、最近は、レストランや飛行機でも、

すべて禁煙という所が増えているので、

河西さんの言うようになるかもね。

 

 

男性社員炭田

 

 

ところで、会社の中では、

事務所内禁煙の所が増えていて、

タバコを吸う人のために喫煙場所を設定しているけれど、

守られているのかなあ。

 

 

男性社員岩下

 

私みたいな愛煙家には、

ちょっと肩身が狭い感じがするけど、

最近は、みんな決まりを守っているようだよ。

 

 

男性社員鳥海

 

 

大部分の職場では、守られているようだけど、

まだ、守られていない職場もあるようだよ。

 

 

女性社員河西

 

 

そうよ、その職場のトップが愛煙家だったり、

他の職場の人が来たときや、来客のときなんかは、

職場のルールより、接待が優先されてしまうようよ。

それっておかしくない。

 

 

男性社員炭田

 

 

 

そうか、…。

職場のルールを守る一人ひとりの意識が大切だけど、

なかなか難しいね。

やはり、気がついた人が、

その時に注意することが必要だよね。

事務所内の、禁煙と書いた表示をすれば

効果的じゃないのかな。

 

 

女性社員河西

 

 

そうね、炭田さんの案を、

喫煙マナーの悪い人がいる職場に投げかけてみるわ。

愛煙家の人には大変だと思うけど、

吸うからには、他の人に迷惑とならないよう、

マナーを守って欲しいわね。

 

特に来客時には、職場のルールに協力していただくよう、

お願いして欲しいものね。

 

 

女性社員A

 

 

 

会社はもとより、会社の外でも、

いろいろなルール、マナーがあるけど、

みんなで守って、お互いに暮らしやすい社会、

気持ちの良い社会にしていきたいものですね。

 

 

男性社員岩下

 

 

マナーに反した人を見掛けたら、

お互いが、注意をしてあげる勇気も大切なことですよね。

 

 

男性社員炭田

 

 

さあ、時間だ。

あと半日、ガンバって仕事をして、

今夜は、久しぶりに、飲みにでも行こうよ。

 

 

ナレーター川島

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナレーター川島

 

 

いかがでしたか。

社内のマナーには、

 

「おはようございます」ではじまり、

「今日は一日ご苦労さまでした」と

お互い、今日一日、頑張ったことをねぎらう、

気持ちの良いあいさつを交わせる職場生活があったり、

 

電話に向こうにいる顔を見ることのできない

お客さまや協力会社の人たちと

心のこもった会話をすれば、

 

きっと仕事もスムーズに動き出すし、

お客さまを笑顔でお迎えすれば、

難しい問題も、お互いに協力し合って解決できるのです。

 

 

 

 

1日の疲れを癒す、お酒の席も、

お互いに配慮をしながら、

楽しく美味しいお酒を飲めば、

また、明日から頑張るぞと、

元気が湧いてきます。

 

地域社会でも、

高齢の方や障害を持っている人たちが

一緒に生活できる社会のために、

みんなが、ちょっとした配慮をすれば、

とても気持ち良く生活できると思います。

 

みんなが、お互いのことに、少しづつ気を配り、

笑顔でコミュニケーションを交わせれば、

みんな、とてっも元気が出ると思っています。

 

相手の人の笑顔が、

私の心を素敵な気分にしてくれるのです。

 

人権って、相手を大切にすることだといいます。

 

みなさんは、人を大切にしていますか。

職場の仲間を大切にするために、何かをしていますか。

 

ここでみなさんにお願いがあります。

今お座りの席で、お隣の方を大切にしてみてください。

今から5分間さし上げますから、やってみてください。

それでは始めてください。(手をたたく)

 

(5分経ったら手をたたく)はいやめてください。

職場に戻られたら、職場の仲間たちを大切にするための

具体的な取組みをお願いして、終わりにしたいと思います。