《 社会的責任の動き(年表) 》

 【~2004/6】

  

 

1948 国連の第3回総会において「世界人権宣言」が採択され、国際社会は大きく人権尊重へと動き出しました。 

1959年にはデンマークにおいて障害ある子どもの母親たちが「ノーマライゼーション」を提唱 

1963 国連はアパルトヘイト政策を行っている南アフリカに対する武器の輸出を自主的に禁止するよう取り決めました 

1964 アメリカでは黒人への差別解消に向けて「公民権法」を制定 

   その第7編では雇用平等を保障する規程を設けています 

1969 ベトナム戦争に反対するグループがダウケミカル社にナパーム弾の製造を中止するよう株主提案を行いました 

   また、GM欠陥車問題を契機に、マイノリティ雇用公害問題などを問う株主提案も多く出されるようになってきました 

1971 アメリカではSRI(社会的責任投資)の発売がなされました 

1972 OECD(経済開発機構)は資源輸出国において想定される環境汚染を防止するための費用について「汚染者負担の原則」を加盟国に求めました 

1974 国際障害者生活環境専門家会議で「バリアフリー・デザイン」という報告が提出され、バリア・フリーということが普及しました 

1976 OECDは企業活動の原則として「多国籍企業ガイドライン」を発表し、雇用および労使関係、人権、環境、情報開示などの幅広い分野において企業の責任ある行動を求める任意の行動指針を定めました 

EUでは、雇用、昇進、職業訓練、労働条件など雇用領域全般における性差別を禁止しました 

1980 国連は女性差別撤廃条約を制定、男女の平等の原則を国際社会における基本理念と確認し、あらゆる分野、とくに政治的、経済的、文化的分野での男女平等の権利を保障するための適当な措置を取り、事実上の男女平等達成のための締結国の責任を明らかにした 

締結国が撤廃すべき差別は、国の責任によるものだけでなく、いかなる個人、団体または企業によってなされるものも対象としており、見直しの対象は法律、規則のほかにあらゆる慣習・慣行も含むとしています 

1984 イギリスでは、「企業はステークホルダーの支持がなければ存在できない」との考え方が登場し、企業は株主のために存在するとしても、ステークホルダーの支持を得られる行動を求められると主張され始めました 

1986 ILO(国際労働機関)は「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」を採択し、(a)結社の自由及び団体交渉権の効果的な承認し、(b)あらゆる形態の強制労働の禁止(c)児童労働の実効的な廃止(d)雇用及び職業における差別の排除を尊重し、促進し、かつ実現する義務を負うことを宣言しました 

1989 アメリカの経済優先順位研究所(SEP)が社会・環境の視点から企業を評価、(Sopping for a Better World)という冊子を作成し消費者にその情報を提供し始めました 

1991 リオデジャネイロにおける地球サミットで「環境と開発に関するリオデジャネイロ宣言」が採択されました 

地球は不可分なものであり,相互に依存しあっている 

持続可能な開発概念の中心は人類である」と,人間中心主義を明確に打ち出している 

持続可能な開発の実現には,貧困の根絶,持続不可能な生産消費形態の変革および適切な人口政策が必要不可欠である 

すべての人権を尊重する 

すべての人は,自然と調和して健康で生産的な生活を送る権利を有する 

また,地球環境悪化の責任は人類共通のものである 

しかし,地球環境悪化への関与は各国それぞれに異なり,環境悪化の主要な原因には偏りがある 

そのため,責任には自ずから差が生じるとし,各国は「共通ではあるが差異ある責任」を有する 

1992 リオ環境宣言を受けて、持続可能な発展を求める行動計画「アジェンダ21(21世紀に向けての環境課題)が採択されました 

1994 ドイツでは、生産者(製造者)に製品の使用(消費)後の処分段階にまで責任(拡大生産者責任)を課すよう法律の改正を行いました 

南アフリカは国際社会の圧力によりアパルトヘイト政策を撤廃しました 

1996 国際標準化機構はISO14001(環境マネジメントシステム規格)が発行され、環境問題に地球的規模での取り組みが進んでいます 

1997 イギリスにおいて、企業活動を通して持続的発展の観点から、企業を「経済(財務)」に加え、「環境」、「社会」といった3つの面からバランスよく評価し、それぞれの結果を総合的に高めていこうというトリプル・ボトムラインという考え方が提唱されました 

「社会面」とは、その企業が良き企業市民として事業活動や社会貢献を通じて社会に尽くしているか

「環境面」とは、企業が環境に配慮しながら事業活動を行っているか、といった活動結果を指します 

1999 国連のアナン事務総長はダボスで開催される世界経済フォーラムにおいてグローバル・コンパクト(多国籍企業の行動9原則)を提唱し、人権・労働・環境の3領域における9の原則を提示しました(2004 腐敗防止の原則を追加) 

2000 イギリスでは年金法が改正され、年金運用会社に投資先の評価基準として社会・環境・倫理的検討を行い、その内容の公表と投資に付随する権利(議決権等)の行使方針について明示することを義務付けました 

2002 EUの欧州委員会は、企業が社会的・環境的関心をビジネス活動の中に、またステークホルダーとの関係の中に、自発的に組み込んでいくこと、またCSR(企業の社会的責任)は「法律を超える自発的なものであり、持続可能な発展の概念と結びついていること、コアの活動に賦課されるものではなく、ビジネスの在り方そのものである」ことを提言しました 

2002 米 7月、エンロン事件を受けて、企業改革法(サーベンス・オクスリー法)制定。企業に社会的責任を義務付ける行動規範を課す会計、財務報告、コーポレートガバナンスの改善を規定する 

2004 日 3月、日経連が「企業の社会的責任(CSR)推進に当たっての基本的考え方」を発表 

2004 日 6月、公益通報者保護法を制定