金子みすゞ さん

本名 金子テル

1903年4月11生まれ(~1930年3月10日)山口県生まれ

自然とともに生き、小さな命を慈しむ思い、命なきものへの優しいまなざしが、金子みすゞの詩の原点

 

 

 

《 金子みすゞの世界へようこそ 》

 

「私と小鳥と鈴と」

        私が両手をひろげても            お空はちっとも飛べないが、 

         飛べる小鳥は私のように            地べたを早くは走れない。

         私がからだをゆすっても、            きれいな音は出ないけど、 

         あの鳴る鈴は私のように            たくさんな唄は知らないよ。 

         鈴と、小鳥と、それから私。            みんなちがって、みんないい。

 

 「お魚」

海の魚はかわいそう

お米は人に作られる、 牛はまき場で買われている

こいもお池でふをもらう。

これども海のお魚は  なんにも世話にならないし

いたずら一つしないのに  こうしてわたしに食べられる

ほんとに魚はかわいそう。

 

「大漁」

朝やけ小やけだ  大漁だ

大ばいわしの  大漁だ。

浜はまつりの  ようだけど

海のなかでは  何万の

いわしのとむらい するだろう。