事例14「同僚の暴言」 

 

高校卒業後、現在の会社に入社し、商品の配送業務に従事してきた。昨年末、事故を起こしそうになり、視力に不安を感じ検査したところ、白内障が進行していたことが判明。現在58歳。上司と相談の結果、配送業務を外れ事務補助の仕事をすることになった。 

私は事務作業は初めてである。できることが少ないし、なかなか覚えられない。現在、郵便物の仕分け、掃除、コピー取りなどの簡単な業務を任されるだけである。同僚のD42歳、正社員、女性)から「おじさん、早くしてよ」「いい年してこんなこともできないの」などと言われ悔しい思いをしている。いっそ辞めてしまおうかとも思うが、定年までは頑張りたいという気持ちもあり悩んでいる。

 

Point

 

・健康上の理由による、定年間際での不慣れな事務作業への分担によるストレスと周囲の対応 

・業務遂行への不満に起因する侮辱的な発言への対応

 

   取組の視点

 

□相談者の思いへの共感 

・視力の低下により、長年従事してきた配送の仕事からやったこともない事務作業をやることになり、ご苦労されていることはよく理解できます。 

・なかなか頑張っても仕事はうまくいかず、そのうえ同僚から侮辱されたら悔しい思いをしている気持ちもよく理解できます。

 

□いくつかある問題の解決策 

解決策はいくつか考えられます。 

・はじめに、白内障を治すことです。定年後も視力の低下は様々な影響をもたらしかねません。出来ればすぐにでも治療あるいは手術をしてみることを検討してみてはいかがですか。その結果熟練した配送の仕事に戻ることも可能かもしれません。 

・次に事務作業についてです。まず与えられた仕事をしっかりこなすことです。それがたとえ簡単な業務であったとしても、職場全体から見てどれも必要な仕事なのですから心をこめてやってみましょう。その時心がけてほしいことは、周りの人とのコミュニケーションです。明るく、元気に、働けていることに感謝の思いを持って誠実に業務をこなしていきましょう。 

・そしてもう少し重要な仕事をこなしてみたいときは、上司に相談しトライするチャンスをもらってみましょう。うまくいくか結果はわかりませんが、コミュニケーション(相談・連絡・報告・質問)をとりながら努力してみましょう。そんな姿は同僚にも何かを感じさせるものです。

 

□同僚の心ない発言への対応 

・同僚の心ない発言についてですが、素直に相手に自分の気持ちを伝えてみましょう。 

仕事がうまくいかない負い目も感じるでしょうが、働きづらい職場環境を変えてもらうためには、あなたの思いを勇気を持って伝えてみましょう。 

・その気持ちを知った上でなおかつ侮辱を続けるならば上司に対応を求める必要があります。