事例10「付き合いの強要」
週3日、パートで働いている。
最近、夫の会社が経営不振で給料が減ったため、他の仕事を掛け持ちするようになった。
これまでは、親しくなった何名かの同僚と、時々お茶や食事に行ったりしていたが、時間的にも経済的にも難しくなり、断ることが多くなった。
「夫の給料が減って…」などと言うのは恥ずかしいので、適当な理由をつけて断っていたら、職場で同僚達に無視されるようになった。
そればかりか、昨日、チーフに「他の人達からあなたがコミュニケーションを取ろうとしないので、仕事がしづらいと苦情が出ている」と言われた。とてもショックだった。
Point
・就業規則と兼業の是非
パートタイム労働者にあっても兼業は就業規則に則りその是非が判断されます。
・兼業が不正な競業にあたる場合
・働き過ぎによって健康を害するおそれがある場合
・兼業の態様が会社の社会的信用を傷つける場合 には兼業は認められません。
労働関係法上、兼業を認めるにあっては、時間外割増賃金の問題以前に過重労働など、健康管理に配慮することが重要です。そのため会社としては、兼業は許可制とし、兼業先の職種や業務の内容、勤務日数・時間数などを具体的に把握した上で、兼業の許可を出していくことになります。
・時間的・経済的に苦しい状況をどのように伝えるか
取組の視点
□時間外の付き合いに参加する余裕がない旨を伝える
・まず、あなたの事情を上司に知っておいてもらいましょう。
・共働きはごく当たり前の社会であり、とくにパートタイム労働をしている仲間たちはそのことを十分理解しているはずです。
・経済的に難しい状況にあるので、もう少しがんばらないといけないので、もう一つ仕事をしているため、お付き合いできない時が多いのです。
・夫のせいにするのは控えたいですね。でも今の社会、会社経営が思わしくなってしまう状況も少なくなく、恥ずかしいことではないと考えてみましょう。家族全員でがんばっていることをむしろ誇りに思ってもよいのではないでしょうか。そう考えてみれば素直にチーフに話せるかもしれません。
・きっとみんなも理解し、支援してくれるでしょう。
□その後の対応
・それでも嫌がらせや仲間はずしがあるならば、それはハラスメントです。
会社に職場環境の改善を求めましょう。
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