事例 7「上司の暴言」 

 

先日仕事でミスをしてしまったことがあり、もちろんそのミスについては私がしたことなので仕方がないと思っているが、その後の上司の言い方と態度について相談したい。

 

取引先の方からミスを指摘されたのだが、まず課長が客先で「お前、ふざけんなよ!」と怒鳴った。しかも、まるで私がいつもミスしているかのような言い方だった。「お前、またか」と言われた。そのあと、職場に戻る時も電車の中で「お前、こんなことをしてただで済むと思うなよ」と大声で言い、人前で恥をかかせようとしてるとしか思えない。

 

この上司には前々からそういうところがあった。上司なのだから、部下をかばうとか、自分が責任を負うとかしてほしい。何かあるといつも人のせいにする。その一方で、上にはいい顔をしている。ミスは全部部下のせいにして。だから上の評価は高いようだが、納得がいかない。

 

こういう思いをしているのは私だけではない。実際に嫌な事を言われるのは限られた人だけだが、そばで聞いている人達も課長のそういう態度には嫌な思いをしていると思う。

 

仕事の内容自体は好きなので、このまま続けていきたいと思っているが、こういう上司とはどのように付き合ったらいいのかなと最近悩んでいる。

 

Point

 

申し出のような課長の態度は好ましいものではなく、管理職として取るべき態度について学び実践してもらいたいものです。 

その前に、問題の本質をしっかり把握し適切な措置をとるためにはその背景を明確にする必要があると思われます。 

・課長の個人的性格が職場環境に悪影響をもたらしていることが考えられます。 

・課長のレッテルを張ってしまって、よくない面だけがみられている可能性もあります。 

・部下の失敗が繰り返し起こるので、何時もどなり声を上げるようになってしまった可能性もあります。 

・嫌なことを言われている人が限られているようですが、その原因に思いつくことはなんでしょうか? 

・ミスをしたことについて、原因を明確にし、今後の対策について課長に相談しているのでしょうか? 

・「何かあると人のせいにする」と考えているようですが、どのような場合に起こったことでしょうか? 

自分が嫌なことを上司に対して行っている可能性があります

具体的な事象について事実とその背景を明らかにし、問題の解決を図ることが大切です

ひとくくりにして相手を悪者にすることは問題の解決にはならないのです

・「上にはいい顔をしている」と考えているようですが、それはどうしてですか? 

・それはご自身の経験によるものなのか、伝聞なのか? 

・伝聞であれば誰のどのようなケースで起こったことなのか?それをどのような経路で知ったのか? 

・人事考課に基づく課長の管理職としてのキャリアと評価を確認します。 

 

○実績は高いが管理者としては支配的であれば、人事面での指導が肝要です。  

 

□課長の職場運営が高圧的で支配傾向があるが場合の対応

 

・上職位による観察と的確な指導 

○問題点を指摘された上司は、時として犯人捜しや、当事者はだれが言ったか想像できてしまうケースも少なくなく、それを機にハラスメントが行われないよう、上職位による観察行為が望ましい場合もあります。 

問題点が確認できた時は、即対応しましょう。

・職場のハラスメント防止にための研修の開催 

○相談者の存在を知られないよう配慮するためには有効な手段 

○できれば当該職場だけではなく、全社的な展開の一環として実施することが望ましい 

・相談を受けての直接的な指導 

○相談者へのその後の不当な扱い(仕返し等)がないよう配慮 

○指導の時期・方法等については事前の相談者の了解を得る 

○その後の動きについて相談者に記録を取るよう要請 

○課長への事情聴取に当たっては十分な釈明の機会を与える 

○事情聴取に先立ち、日ごろの業務遂行への貢献について会社としての感謝の意を表明する

会社はあなたの仕事ぶりに関心を持っており、よい管理者としての行動を期待していることを示します

問題点は抽象的ではなく具体的に指摘し、改善策を一緒に考えましょう

改善策については、どのように、いつまでに実施するかを約束してもらいます

中間報告も忘れずにしてもらいましょう