《 人権の視点に立った『ものの見方・考え方』」講演録 》

(コンプライアンスの視点から)

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【今日の社会が企業活動に求めるもの】

 

人権とは何かを考える前に、今日の社会が企業活動にどのようなことを期待しているかを考えてみたいと思います。

 

今日の社会においては、個人であっても、組織であっても、期待されていることは、個人や組織の本来なすべき課題、環境への配慮や食の安全、労働環境の整備、最近では持続可能な社会の実現などの課題に真正面から向き合い、社会倫理に忠実に、正義に則りその解決に向けてイニシアティブを持って行動することであり、その活動においては法令を順守するとともに、組織や業界団体のルール(経営理念や定款をはじめとする社内規定、ガイダンス等)の履行、そして社会倫理に則した行動を行うことが期待されています。

 

さらにグローバルな視点に立って、多様なステークホルダーとの良好な関係すなわち“Win-Winの関係”を構築するための積極的な行動が高く評価され、資本の調達や売上高の向上にも優位性を発揮する時代となってきています。

 このような取り組みを誠実に行うことが企業のブランドを高め市場はもとより次世代からもから選ばれる持続可能な企業となると言われています。

 

【企業にとってステークホルダーとの関係は重要な意味を持っています】

 

企業活動は、多様な価値観を持った多くのステークホルダーとの良好な関係を築くことによって発展します。

 

ステークホルダーとは利害関係者、すなわち企業活動に影響されるすべての人々を指します。もちろん企業によってその使命や役割は異なりますので、必ずしもすべてが同じとはいえませんが、経済がグローバル化し、技術革新やIT化がこれまでにない勢いで進む今日、企業活動の影響力は大げさに言えば地球上のすべての人々に関わっているといってもよいかもしれません。

 

そこで重要となるのが、Win-Winの発想と先を読む力、そして何よりも重要なのがステークホルダーとの対話(コミュニケーション)なのです。その対話の中から企業活動に期待することを探り当て、それに応えていく行動を積極的にとることが企業活動を持続可能なものとすることができ、今日良く耳にする“コンプライアンス”と理解しておくことが必要でしょう。

 

グローバル化により企業活動の影響力は国境を超え、地球規模になった今日、事業活動を行う国の法律を遵守することはもとより、取引関係国の法令や社会的ルールや国際社会が定めたルール、例えば、国連が採択した世界人権宣言やそれに基づく各種条約ILOが定めた労働者の働く環境条件に関わる諸条約、世界中の国が強い関心を持つ環境への取組みを定めた条約や議定書などへの参加と地球規模での課題解決に向け事業展開の中で積極的に活動することを企業に期待されているのです。

 

1999年、国連のアナン事務総長は、世界経済フォーラム(ダボス会議といわれています)に参加し、国際企業に対してつの原則からなるグローバル・コンパクトを締結しましょうと提案しました。

グローバル・コンパクトは人権の尊重に関する2原則、労働者の権利に関する4原則、環境の保護に関する3原則、今ではそれに腐敗防止の原則を加えた10原則(2004)からなっています。

2015年7月末現在このイニシアティブに参加している組織は世界約160か国で13000を超える団体(そのうち企業は約8300)、日本では257の団体にのぼっています。

 

また、国際標準化機構ISOがマネジメント・環境に次いで企業はもとより、すべての組織についての社会的責任(SR)のガイドラインISO26000)を201011月に発表しました。

その取り組みの中核として、組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者問題、そしてコミュニティ参画及び開発の7つのアプローチについて方向性と具体的な取組み例を示していることについて、大いに関心を持っておきたいものです。

 

ここに掲げている取組みは、誰もが「人間」として快適に生活できるための社会の実現に向けた取り組みであり、社会の一員としての義務として、企業も企業活動を展開する私たち一人ひとりの行動の中で実現することが期待されているのです。

 

これらの取組みの中に必ず語られているのが“人権の尊重”です。

人は社会の関わりの中で生活しており、人権を尊重し、お互いの存在を認め合い、支え合い、それぞれが持っている力を出し合って協働していくことが、企業の発展を支え、豊かな社会の創造していくのだと言っているのです。

それも地球規模の視点からお互いを認め合う人権尊重の精神を具体的な行動に移すことが大切だと訴えかけられているのです。

 

お互いのことに関心を持ちみんなが幸せに暮らせる社会を築いていこうということです。

 

それでは「人権を学ぶ」ということはどういうことなのでしょうか。(資料1

 

私は、「人権」とは、私たちが人間らしく生きながら、それぞれの幸せを築いていくために必要なもろもろの権利の総称だと考えています。

 

そして、自分の権利を行使するに当たっては、その結果について責任を負うことができるよう配慮しなければなりません。人は社会の一員として存在するからです。

 

ここで最も大切なことは、自分自身の人生をどのように生きていくか、しっかりした考え方を持つことが必要です。そのためには、この世の中にたった一人しかいない人間としての自分自身を大切な存在として認めること、すなわち自尊感情が基本となると思います。

 

この自尊感情は、多くの場合他の人からその存在を認められることにより生まれるもののようです。 

意見を聞いてくれたり、努力していることを認めてくれたり、行動を褒められたりすることで自分の存在を確認できると、人は自然と自尊感情を高めます。そして、存在することへの自信が生まれる、人間は自然と積極的な行動をとれるようになるものです。

 

職場で部下のやる気を起こさせるための上司の役割は、部下の良いところを見つけ出し、その行動を褒め自信を持たせ、成功体験を積み上げさせることによって、自主的自立的に新しいことにチャレンジさせることなのです。 

上司の役割は、組織に集まった人たちをその持てる能力をいかんなく発揮させハーモニーを奏でるオーケストラのコンダクターの役割を果たすのです。 

人権を尊重するその指揮ぶりは、企業が求める生産性に直結する最高の働きをするでしょう。

 

【一人ひとりのその違いを活かすことが企業活動の起爆剤】

  

もう一つ大切なことは、人は一人ひとり独立した存在であり、“違い”があることを認め合うことです。この“違い”を認め合い活用することが今日企業活動において求められている多様性の尊重であり、創造性の源なのです。

 

違う視点が重要であり、みんなが同じ方向を見ていては、今日の閉塞した現状を打開するアイディアはなかなか見つからないでしょう。 

民族・性別・年齢・障害の有無・社会的立場・個性・価値観・情報・知識・アイディアなど様々な違いが今日の厳しい企業環境を乗り越えるためのパワーとなるのです。

  

【個々のパワーを組織的に活かすのがコミュニケーションです

企業活動においてコミュニケーションこそすべての基本】

 

これらのパワーを活かすために必要なのが”コミュニケーション“です。

 コミュニケーションなくしてお互いを理解することは不可能です。

 

企業活動の中では往々にして一方通行の指示命令が横行していますが、それでは働く者の力が十分発揮されないまま、固定的な成果しか生み出せないことになります。

 

人間の本来持っている可能性を引き出しより一層の成果をもたらすためにも、“良質なコミュニケーション”すなわち目的意識を持って、対等な立場に立って、より良い成果をめざすための心からのコミュニケーションが重要なのです。

 

今日企業活動において大切だとされるCSR(あらゆる組織に対しても期待される社会的責任として“SR”と表明)の取組みは、まさに“コミュニケーション”を活用し、企業が社会の期待を探り当て、それに応えていく取り組みなのです。

 

ここで最も心掛けたいことは“関心を持って耳を傾ける”ことではないでしょうか。

 部下の思い、上司の期待、お客様がどのようなサービスを期待しているのか、社会は、世界は何を期待しているのか、企業活動の将来を決めるのは心をこめて聴くことから始まるのです。

 

今日、日本がたどってきた発展の過程を、多くの発展途上国がたどろうとしているのです。まさに経済のグローバル化は、日本の生産技術・ノウハウを国際社会に役立てる時代が来ているのです。

 

そこに私たちの持てる力を活かすことが企業の持続可能性を実現する道であり、相手国の人々の生活を支える力ともなるのです。

企業活動を経済の視点からだけでなく、人間尊重の視点から、日本国内だけでなくグローバルな視点から俯瞰し企業活動の新たなチャレンジすることが今こそ大切な時代なのです。大企業だけではなく中小企業の技術やノウハウを生かすビジネス機会なのです。

  

【対話をうまく行うためには、自分の思いを素直に相手に伝えることから始まります】

  

“アサーション”というコミュニケーションの方法がありますが、これはちょっと言いにくい話でも、相手を悪者にすることなく、素直に自分の気持ちを伝え、自分の思いを知ってもらうためノウハウです。

 

私が今抱えている問題を素直に伝え、解決の道を探るために協力を期待したり、こんな夢を実現したいが何か良いアイディアはないだろうかと協力を求めたりすることです。

 

この時、こんなことになっているのはあの人のせいだと責任を誰かに転嫁しないで、問題となっている事実を伝えこんなことを実現したいのだと自分の気持ちを素直に伝えてみる‟I”メッセージ)ことが必要なのです。

ぜひ皆さんも、とくに話しにくい上司にトライしてみたらいかがでしょうか。受け入れられないのではないかと不安がるより、自分の素直な思いを話してみれば、きっと上司はそう思っていたのか、なるほどと受け入れてくれる可能性大です。

 

もちろん相手を悪者にするような伝え方は悪い結果を自ら引き起こすことになるので、控えなければなりません。

  

【人の行動を制約しやすいことにレッテルを張るというのがあります

         誰かにレッテルを張ってしまうと見え方が偏ってしまうのです】

  

人権問題で問題になるのは、ステレオタイプ的な考え方と偏見です。

 

例えば、お医者さんの評価に例えてみましょう。

「お医者さんは好きだ。みんなやさしいから」これは偏見です。

自分の経験から、すべてのお医者さんは優しいものなのだとの決めつけているのです。偏見といわれる場合多くは、マイナスイメージを持つことを指します。

「やさしいお医者さんは好きだ」これは自分の意見を申し述べているのです。やさしく対応してくれたお医者さんに好意を持ったことを述べています。

最後に「お医者さんは優しい人たちだ」というのがステレオタイプ(自分の経験により固定的イメージを持つこと)です。

 

ステレオタイプが敵意や感情と結びつくと偏見や差別を生みだします。

 

日常の生活の中で、人々を勝手に分け隔てしてレッテルを張っていることはないでしょうか。

「あいつはダメなやつだ」とか「やっぱり女だからな」「男のくせに」「お前は大卒だろ」といったレッテルをはり出すと、その後の相手を見る見方がその偏光グラスにより誤った見方をし続けることになります。

 

上司が部下に偏見を持つと、部下を自分の枠にはめそれしかできない人間だと決めつけ、その人の可能性を奪ってしまうのです。

 職場の様々なハラスメントはこのようなところから生じやすいのです。

 女性は仕事に向かない。業者には厳しく当たらないとなめられる。

 派遣社員は俺たちの言う通りにやっていればいいんだ。

 

本当にそうでしょうか。どれも間違った考え方なのです。

 

上司の役割は、部下が成果を出せるよう指導したり仕事の環境を整えたりすることです。部下が成果を出せず、精神的に参ってしまうようならそのやり方は間違っているのです。

 一人ひとり違う部下に合った方法を選ぶ能力が上司には必要なのです。

 

【人権が尊重されているとはどういうことでしょうか】(資料2)

 

人権を尊重することは、“私”が元気で活き活きと生活できるということなのだとしたら、資料にまとめた通りのことが大切にされるのではないかと考えています。

 

これらが一体となって一人の人間として、自分らしい物の考え方を表明したり、正しい判断をするための情報を得られたり、良いと思う行動を選択できたり、チャンスを平等に与えられ努力すれば夢を実現できたりする環境が整えられている、そういう状態を“人権が尊重されている”というのではないでしょうか。

すなわち、お互いの人格を認め合う中で、活発に意見を交換しながら、自分たちの目標に向かって協力し、その成果を喜び合うとともに、さらなる極みに向かって挑戦してくことのできる環境で働けることなのです。

 

人権が尊重されるということは、まずその人の人格、長所も短所も含めてその人自身の存在をあるがままに受け入れることです。

 あなたの価値観に合うかどうかではなく、会社の目標を達成するための力を持っているかを問うことでもなくなく、まずはあるがままに受け入れることが必要です。

 

そこには、その人特有の個性があり、これまで培ってきた思想や信条、倫理観や価値観、それに基づく物事に対するその人らしい主張や考え、道筋を選ぶ判断力を持っているのです。

 それぞれの育成歴が異なると同様に、ものの見方・考え方には“違い”があり、“十人十色”と言われるゆえんです。人間社会はこの違いを大いに活かすことで、発展し続けているのではないでしょうか。

 

発見とか思いつきはこれまで先人達が考え表現してきたものを真似たり、何かに応用したり、違った視点から眺めることでひらめいたりしながら、新たなものを生み出してきたのです。

 

こう考えると、それぞれの考えを自由に表現でき、お互いに持っている知識やものに対する考え方を自由に交換できることが、私たちの社会をより夢のあるものとする大きな力となるはずです。キーワードは“参画”です。

 

だとすれば、職場の活性化にはお互いを尊重することを基本に、それぞれが持っている力をいかんなく発揮できる環境と上司の的確な指導、仕事をしやすい舞台装置づくりと情報の提供を実現するシステムが必要だと言えるでしょう。

 

職場において人権を尊重するということは、安全に安心して働ける環境と力を発揮できるチャンスが与えられ、その成果(結果だけではなくプロセス)が公正に評価され、実現された成果が公平に配分される体制を構築することだと言えるのではないでしょうか。

 

このような体制が実現されるために最も重要だと思っているものに“感謝”の思いがあります。

人に出会ったことに感謝する

新たなことを知る機会を得られたことへの感謝。ほっとする気持ちにさせてくれたことへの感謝。

叱ってくれたことへの感謝。

 

“ありがとう”の一言には人と人とをつなげる力が潜んでいるのです。

 

いま世界には75億1千万人の教師がいて生徒がいるのです。

人はだれかと出会い、何かを学び、何かを伝え合っているのです。

その出会いに感謝しながら未来を切り拓いていくのです。

 

それでは人権を尊重する仕事の進め方について考えてみましょう。(資料3)

 

ここでのキーワードは、みんなが参画できる社会、家族の幸せ、社会への貢献、心身の健康、安心・安全な職場と社会、フェアな関わり、機会の均等です。

 

経済活動がグローバル化し国際競争がますます激しくなるなか、機械化、IT化による合理化・効率化とともにコスト削減の動きがついには人件費に及び、分社化、業務のアウトソーシング、そして契約形態の多様化が一気に進んできて、ついには、労賃の安い国外への工場移転にまで至っています。

 

その結果、労働者には専門性の向上と能率主義が求められ、行き着くところは人の分断化、協働よりはまず自分の実績、プロセスはさておき結果優先、少数精鋭で、時間的負荷とともに、マネジメントの空洞化も知らず知らずのうちに思わぬ段階まで進行していているのが現状ではないでしょうか。

  

企業活動の全体像を理解し、その中で自分がどのような役割を果たしているのか、それが社会にどのように貢献しているのか、それさえも無関心でただただマニュアル通りに文句も言わずに黙々と行う仕事って、本当にやりがいがあるのでしょうか

 

私は、誰もが与えられた役割の中で、大いに人間力を発揮し、より良い職場環境、仕事の在り方を常に追求するためにイノベーションを繰り返し、仕事に責任を持って働いている姿に誇りを持ち、自分のことを自分の所属する組織のことを自信をもって誰にでも語れる人材であってほしいと思っています。

 

私たちのビジネスは多くの工程があり、そのどれもが欠かせない重要な役割を果たしています。そこには人間がいて、その働きを家族が支えているのです。 

これらの人々の支えがあってこそビジネスは発展し続けることができるのであれば、そのサイクルに関わる誰もが幸せに暮らせるようできる限りの配慮をすることが、求められているのです。

  

今国際社会では、フェアトレードや品質・環境のマネジメント(ISO900014000)、就労環境(SA8000)など国際評価機関が認証し、社会的評価を得ることで、市場からの信頼を得る事例も多くなってきています。

 

資料3では、企業活動がステークホルダーとどのように関わっているかをまとめてみましたので、自社の取組みがこれらの期待にこたえることができる体制になっているか見直してみることも大切だと思っています。

 

(資料4)では公正な採用選考が企業にとって最も重要な取り組みの一つであることを述べています。

 

公正な採用選考が取り組まれて40年以上もたつのですが、今でも誤った考え方の下、差別に結びつきやすい情報を収集している企業があると聞きましたが、とても残念なことです。

 

採用をフェアにするためには、今皆さんが働いている職場が誰にでも働きやすい環境になっていることが必要です。

誰かにレッテルを張り不当な取り扱いが横行している職場環境の中では公正な採用選考はできないのです。

 

日常の仕事ぶり、上司と部下、社員と契約社員、取引先との関係など、力関係が生まれやすい中でも、みんなが活き活きと働ける職場風土、企業文化を創造していってほしいと思います。

 

常に職場において‟フェア”な行動がなされ、機会が均等に提供され誰もが新しいことにチャレンジできる環境への配慮がなされている企業は、優れた人材を獲得し、将来に向けて発展し続けることになるでしょう。

  

最後になりましたが、人権尊重の職場運営のためには

      どのような取り組みが大切なのか資料5にまとめてみました。

 

資料「‟私”にとって人権が尊重されているということとは?」にまとめたとおり、人権を尊重するということは、人間が本来持っている様々な能力を発揮させるための取り組みといってよいのではないでしょうか。

 

私はこれをヒューマニゼーションという言葉で伝えたいと考えてきました。

 

ちょっとなじみがないでしょうが、経済優先の今日最も必要なことは、人間が本来持っている人間らしさ、考える力、協力する力、異なる視点、行動する力を大いに発揮し、多様な価値観を持ち寄り大きな夢の実現に向けて組織としての力を束ねていく取り組みといってもよいかも知れません。

 

具体的に人が持っている能力を活かすための行動について考えてみたのが資料5「人権尊重の職場運営とは」です。

 もちろんこれだけでなく、みなさんのアイディアで“これだ”と思ったことを実行してみてください。実行してみれば、どこを伸ばし、どこを改善しなければならないことがはっきりします。

 はっきりしたらまたトライする。トライをすればより一層解決したい課題が明確になってきます。

PDCAを繰り返すこと(職場の‟イノベーション”)で、より良い職場は必ず実現します。

  

まず初めに、人格の尊重です。

人格を尊重するということは、その人の存在そのものを認めることであり、相互の信頼から生じるものです。

 

たとえば、朝の挨拶について考えてみましょう。

朝の挨拶は、仕事を始める前の大切な取り組みといってよいでしょう。

職場の仲間が元気なのかを知るでしょう。変わったことが起こっていることに気づくかもしれません。

 

もしここで無視されたら、相手の人はどう思うでしょうか。

私の存在は無視されるほど軽いものなのか、と思うかもしれません。

それが毎日続いたり、他の人には挨拶するが私にはしてくれないとしたら、私は嫌われているのかしらと、やる気までなくしてしまいかねません。。

 

それに比べて、“おはよう”の挨拶に+1、「昨日はごくろうさまでしたね」とか、「今日は暑いから熱中症には気をつけて営業してください」といった言葉を付け加えると、私に関心を持ってくれているんだな、とやる気が出てきたりします。

日ごろの仕事ぶりに感謝の言葉がかけられれば、今日の活動をより一層効果あるものにすること間違いなしです。

あなたが掛ける“ありがとう”の一言は、相手に人に自信と勇気、そしてパワーをくれるのです。

 

この様に、ちょっとした言葉や行動がその人の存在を認め自尊感情を高めることになるのです。

 

次に「個性」を活かす、「違い」を活かすことを考えてみましょう。

 

ここで重要なことが2つあると思っています。

 

組織は一丸となって取り組むことで力を発揮します。

そのためにもコミュニケーション、それも良質なコミュニケーションが第一のキーポイントです。

 

みんなの考え・意見を交換し、実現すべき目標に向けて話し合い、合意の下、これだと思ったことを即実行する。

また集まってうまくいったかを評価、新たな課題を探り出し改善策を即実行。これを繰り返せば実現は間違いありません。

やらない理由を見つけるのは簡単です。誰かの責任に転嫁することもたやすいことです。

人権尊重の職場づくりは、“よしやるぞ”と行動に移すあなた自身の決意にかかっているのです。あなたの思いを仲間に伝えみんなの協力をもらって実現できるのです。

 

まずできることからやってみましょう。

 

2のキーポイントは、感謝の気持ちです。

 

人と出会うことができたり、楽しく話し合えたり、異なる見方を教えてもらったら、即感謝。

ときには厳しい指摘をしてもらった時も、即感謝。

感謝するあなたの心のゆとりが、あなたを大きく成長させる力なのです。

 

 

“ありがとう”の一言が人と人とを結び付ける大きな力なのです。

チャレンジしてみてください、きっとあなたの思いは実現することでしょう!