事例16「上司の嫌がらせ」
私は、コールセンターでPCに関する相談業務をしている。
元々PCに関することに興味があったため、大学時代は、障害者にPCスキルを教えるボランティアをしていた。
卒業後はSEとして就職。納期前にはほとんど休みもなく、連日深夜に及ぶ労働のため、腰痛や首のこりに悩まされた。
疲れているのに良く眠れなくなり、仕事中にボーっとしてしまうため、友人に精神科医がいるので、ちょっと話してみたところ、友人は心配し、「このままではうつ病になる。今のうちに休んだほうがいい」と忠告してくれた。
仕事を休んでも、職場の状況が変わるわけではないので、思い切って会社を辞めた。退職後しばらくは休養をとり、そろそろ働き始めないと、と考えていた。
半年前、現在の会社の採用情報が目にとまり、応募したところ、無事採用が決まった。コールセンターで働くのは初めてのことだが、PCの知識も人に教えた経験もあるので、仕事にはすぐに慣れ、また、同僚から頼られることも多く、SV(スーパーバイザー)からも信頼されている。
チームのリーダーF(28歳、3年目、契約社員)のことで相談したい。Fは、同僚からもSVからも受けの良い私のことが癪に障るらしく、私が業務について何か尋ねても、「あなたならわかるでしょ」と教えてくれない。業務上必要な情報を私だけに知らせなかったり、他の人だったら注意しないような細かな事まで注意してきたりする。
また、意図的に私を連続夜間業務にするなど、ひどいシフトを組まれた。明らかに私に対する嫌がらせだと感じられる。
最近食欲も無くなり、Fに怒られる夢を見て夜中に目が覚めることもあり、自分でも心配になってきた。
Point
・日頃の職場における自分の位置を確認することは大切です。
・良好な職場環境づくりはお互いの立場を尊重することから始まります。
・日ごろのコミュニケーションをもっと大切にしてみませんか。
・ネットワークを広げてみましょう。
取組の視点
□周りの人が持っている不安に気付きましょう。
・あなたのような存在が登場することで、自分の存在が危うくなるのではないだろうかと恐怖心を抱く人もいます。自分に対する対応に不満を持っているのかもしれません。
職場の先輩として優秀な人材が登場し何でも自分でやってしまうと、時として自分の存在価値が損なわれてしまうように感じるかもしれませんね。
まず感情的にならず、冷静かつ事務的に対応することが必要です。
□解決への手立て
・業務についても、まず自分で考えた上で相談するのも一つのやり方です。
もちろん助言をいただいた時はまず心からの感謝の意を伝えることです。リーダーとしてのFさんの存在価値をしっかり位置づけるのです。Fさんと自分の立ち位置をしっかり築きましょう。
・情報の収集はネットワークを広げることで今より改善されるかもしれません。
・日ごろのコミュニケーションの在り方を振り返ってできることをまずやってみるのもよいでしょう。
・そして起こったことを記録に取っておきましょう。
いつ、どこで、誰が、どのような状況の中で、どのような行為がなされたか。
そのことに自分はどのように感じたか、その行為に対して自分はどのように対応したか。
誰かにそのことを相談したか。
・自分に起こっていることが整理できたら、自分の思いをFさんに伝えてみましょう。
相手を「悪者にすることなく」自分の思いを素直に伝えてみましょう。
うまくいかないのではと不安がるより、素直に自分の思いを伝えるのです。
もちろんリーダーとしてのFさんへの感謝の気持ちもしっかり伝えなければいけません。
それができないとしたら、あなたの気持ちのどこかにFさんを軽んじる気持ちが潜んでいるかもしれませんね。リーダーに相談すべきことをSVに相談してしまったりしたかもしれません。
・もちろん直接伝えることが無理だと感じるならば、スーパーバイザーに相談してみましょう。
きっと相談に乗ってくれるでしょう。
☆記録を取るときに大事なことは、不満や疑問に思ったことだけではなく、助けになったことや嬉しかったこと、感謝したいことなどもしっかり記録に取っておくことです。
○いずれにしてもFさんのリーダーとしての位置づけを軽んじる対応は避けたいものです。
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