《 ケースから学ぶにあたって 》

 

人権への理解や認識を深めるためには、“人権”についての規定や概念を学んだり、私たちの身の廻りにあるさまざまな人権問題に目を向け、差別の実態や人権尊重の大切さを学び、知識と感性を育むことが大切です。

職場で起こる様々な人権にかかわる問題を、職場を見直す機会を提供してくれる大切な『宝物』として受け止め、検討分析してみましょう。

そうすることで、差別を決して許さないという信念を持つとともに、「何が問題なのか?」「何故、問題なのか?」「要因は何か?」などを考え、問題解決にむけて最適な行動を促がしていける「意欲と行動力」を学び、私たち一人ひとりが職場で実践することが、誰もが活き活きと働ける「元気の出る職場」づくりに貢献するのです。

 

 〇〇色の項目をクリックすると当該情報にリンクします

 

鈴木君の悩み(障害者が働きやすい職場環境)

職場の仲間との懇親会での出来事(セクシュアル・ハラスメントと女性差別)

 

 

 

ケースから人権を学ぶ

  

 人権への理解や認識を深めるためには、“人権”についての規定や概念を学んだり、私たちの身の廻りにあるさまざまな人権問題に目を向け、差別の実態や人権尊重の大切さを学ぶ、知識と感性を育むための学習方法が大切です。

 

更に、人権問題の解決には、知識の理解にとどまらず実践的な行動に踏み出せるための学習も必要です。職場で起こる様々な人権問題に対して、差別を決して許さないという信念を持つとともに、「何が問題なのか?」「何故、問題なのか?」「要因は何か?」などを考え、問題解決にむけて最適な行動を促がしていける「能力」を養成することも、大切な学習の一つです。

 

 企業活動や職場の人間関係から生じる人権問題は複雑な諸要因の絡み合った状況から起きることも多く、各々の個別性も高いといえます。そのため、必ずしも型通りの理論に関係づけ解決できるとは限らないのが現実です。

 

このことからも、発生した問題の解決にあたっては、人権に関する知識や感性、技能などと、現社会のさまざまな制約条件や価値観なども包括して分析をおこない、適切な意思決定を下せる総合的な判断能力が求められることになります。

 

この総合的な判断能力を養成するためには、発生した人権問題に対して前向きな取組みを実践するうち、次第に適切な意思決定能力や問題解決能力が習得され深めてゆくことができます。

 

しかし、問題解決に習熟するほどに多種多様な人権問題が生起することは、現実的にはあまり多くは無いのではないでしょうか。このことから、現実に起こった事例(ケース)をもとに、当事者の立場に立って問題解決に挑戦する学習形式が総合的な判断能力の養成や向上に役立つと思われます。

 

具体的には、職場で起きるさまざまな人権問題の中から、いろいろな意見や考え方ができるケースを取り上げ、そこに提示された問題点について、参加者相互が意見交換をおこない、思考を重ねる過程で、他の参加者からの多様な意見や知識、観点に誘発され、自分の考えに新たな理解を加えることを研修(学習)の目的としています。

 

人権尊重の視点から、問題の本質を多角的に捉え、解決に向けて適切な意思決定と行動を育むための能力開発手法として、この研修ノウハウを職場研修等で役立てていただくことができると考えています。