事例11「復職」
3ヶ月休職していた。今は復職して2週間が経つ。
仕事自体は、前にしていたことをそのままやらせてもらっているので、自分ではなんとかやっているつもり。でも、どうも周りの目が気になってしまう。
上司は今のところ厳しいことは言わないものの、本当は、「仕事ができてない」とか、言いたいことがあるのではないかと思ってしまって、ついビクビクしてしまう。自分ではもちろん頑張っているつもりなのだが、やはり前と比べるとちょっと作業が遅いのかもしれない。
周りの人も、休職明けだということで気を使っていると思う。何か言ってくる人がいるわけではないが、何も言われないのが逆に怖いと感じている。色々考えてしまう。
例えば自分が何か言ったときに、話しかけた人がすぐに返事をしなかったら嫌がられてるのかな、とか、考えてしまう。自分から聞ければいいのだろうとは思うが、自分から病気の事や休職していた事を話すのも気が引ける。
せっかく復職できたのに、このままだとまた病気になってしまいそうで、もうどうしていいかわからない。
Point
・メンタルヘルスケアが必要なケースです
病気になってしまうのではないかとの不安が強いと思われるので、専門家のカウンセリングを受けることをお勧めします。
企業内に専門家がいればそのセクションを紹介します。なければ、社外の信頼のおける病院等を紹介します。
(日頃の医療機関等とのネットワークづくりが大切)
・主治医との連携
主治医との連携を密にし、復職後の仕事の在り方について話し合い必要な配慮を行う。
・職場の仲間の配慮に感謝する気持ちを持つ
・しっかり自分の病気と向き合い、あわてることなく職場復帰を図る。
・上長とのコミュニケーション
上長とのコミュニケーションを密にし、自分の不安を知ってもらうとともに、自分の行動を観察してもらい、フィードバックを受ける。
自分をみんなが見守ってくれていることを知ることで安心できる。
取組の視点
□上司への相談
・自分の抱えている不安感を上司に伝え、理解してもらう。
・上司に自分の行動について観察し、フィードバックしてもらうよう依頼する。
・気になることがあればその都度上長に報告する。
□記録の作成
・自分の生活日記を作成し、自分自身が何をどう感じているか、思っているかを知る。
□医療従事者との連携
・主治医・本人と協力し、職場復帰プランを作成し、職場復帰を進めます。
・復職においては心身の安定が何より大切です。定期的に医療専門家のカウンセリング等を受けることが必要です。
□上長の職場環境配慮
・復職者及び管理者・同僚に仕事の負荷がかかりすぎないよう配慮します。
・心的不安は、疲労やストレス、思わぬミスや事故につながりやすく、十分な配慮を行います。
・観察記録を取り医療従事者と情報交換するなど、状況に応じた対応をとります。
・仕事への自信を回復させるための適切な対応を取りましょう。
仕事の成果を認める言葉かけをしましょう。
・「調子はどうですか?」問う声かけをしましょう。
禁句:「がんばってね」「やればできるよ」などと励ましの言葉はかえって復職者を追い込んでしまいます。
□家族との連携
・家族の理解や協力も重要なので、家族との必要な情報の交換が望まれます。
・体調の変化、家庭での仕事の話題などの情報交換も、復職者の心身の状態を知るうえで有効な情報となります。
・家族の協力は欠かせません。
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